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2013年5月 プレ・シンポジウム《東南アジアの「インド化」を再考する》

東南アジア学会のみなさま

東京外国語大学の青山亨です。東京外国語大学本郷サテライトで定期的に東南ア
ジア歴史研究会に参加しているメンバーを中心に、来る5月28日の第58回国際東
方学者会議(ICES)においてシンポジウム《東南アジアの「インド化」再考》を
企画しています。

このたびは、本番のシンポジウムに先立ち、プレ・シンポジウム《東南アジアの
「インド化」を再考する》を以下の要領で開催します。

一般公開していますので、どなたでもご参加いただけます。関心のある方は是非ご参加
ください。忌憚ないご意見を期待しています。

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プレ・シンポジウム《東南アジアの「インド化」を再考する》

東南アジア学会関東例会・東南アジア考古学会・東南アジア歴史研究会・
上智大学アジア文化研究所共催
日時:2013年5月11日(土)13:00-18:30
場所:上智大学2号館2-510教室(四谷キャンパス)
アクセス:http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya

13:00-13:15
 青山亨:趣旨説明(詳細は末尾に記載しています)
13:15-13:55
1) 青山亨:東南アジアの「インド化」論の整理と課題:
 外来と自律、物質と精神の対立を乗り越えるために
14:00-14:40
2) 深見純生:漢籍史料から見る東南アジアの「インド化」の再検討:
 混填・蘇物・法顕・婆羅門
14:45-15:25
3) 田畑幸嗣:考古学史料から見る東南アジアの「インド化」の再検討:
 アンコールボレイ、オケオ遺跡等を中心に
15:25-15:40
 休憩
15:40-16:20
4) 松浦史明:刻文史料から見る東南アジアの「インド化」の再検討:
 初期クメール刻文史料の再検討
16:20-17:00
5) 小野邦彦:建築遺構から見る東南アジアの「インド化」の再検討:
 山岳信仰から探るジャワ島のヒンドゥー教文化
17:15-18:30
 総合討論:シンポジウムに向けて

内容についてのお問合せ:taoyama@tufs.ac.jp 青山 亨(東京外国語大学)
URL:http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/aoyama/2013/05/post_216.html

このプレ・シンポジウムでの総合討論の結果を受けて、2013年5月28日(金)に
同じメンバーによるシンポジウム《東南アジアの「インド化」再考》を第58回国
際東方学者会議(ICES)において開催します。関心のある方は是非こちらの方に
もご参加ください。詳細:
http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/aoyama/2013/05/58ices.html

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《東南アジアの「インド化」を再考する》趣旨説明

東南アジアの「インド化」の歴史叙述を振り返ると、植民地期の「外因史観」と
脱植民地期の「自律史観」という段階を経て現在に至っています。前者は、イン
ド文化の導入が東南アジアの初期国家形成と文化の「インド化」をもたらしたと
し、後者は、初期国家の形成は自律的で、「インド化」は表層的に過ぎないとし
ます。

しかし、一見対立的な両者は、「変わらない東南アジア」という停滞史観に陥っ
ている点で同根です。今求められるのは、自律史観の言う「現地化」のあり方を
再検証して、「インド化」における東南アジアの主体的関与(Agency)を明らか
にすることで、新しい「インド化」論を構築することであると考えます。

そのためには、とりわけ以下の3点が重要と思われます。

 1)東南アジアにおける初期国家の形成と「インド化」は一括りにして論じら
れてきたが、この2つは分けて議論することができる。近年の考古学の成果は
「インド化」に先立つ時代における首長制社会の出現を明らかにしている。これ
は、クルケのインド的国家形成論とも整合的である。
 2)「インド化」の最初期の「過程」と「インド化」した社会のその後の「状
態」とを区別することが「インド化」の議論を再活性化する上で有効である。特
に初期の「過程」の地域ごとの差違とその意味を検証することが求められる。
 3)「インド化」を東南アジアの独自の歴史現象と見るのではなく、ポロック
の「サンスクリット・コスモポリス」を踏まえて汎ベンガル湾的な運動と見ること
が有効である。

今回のシンポジウムでは、「インド化」を、インド系文字(及びサンスクリット
語彙)を媒介とした、東南アジアの土着勢力による能動的なインド文化の導入過
程と理解した上で、2)と3)の問題意識を持ちつつ、1)に焦点をあてて、考古学と
歴史学の成果の接合を目指します。具体的には、最初に漢籍(深見報告)による
フレームを提示し、考古学(田畑報告)との接合を図ったうえで、建築(小野報
告)と初期刻文(松浦報告)のデータを照合することでどのようなモデルが描け
るかを試みます。
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