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2018年度第5回関東例会(2019年1月26日)

下記の日程にて、関東例会(1月)を開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

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日時:2019年1月26日(土)13:30~17:45
場所:東京外国語大学 本郷サテライト5階セミナー室
*地下鉄本郷三丁目駅より徒歩5分(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)

第一報告(13:30~15:30)
報告者:水野明日香氏(亜細亜大学経済学部)
コメンテータ:根本敬氏(上智大学)

報告題目:「日本占領下のビルマにおける産米増産計画」

報告要旨:本報告では、ミャンマー国立文書館に残された史料を利用し、1944年1月末から1945年にかけてビルマで実施された産米増産計画(Paddy Cultivation Scheme)の分析を行う。産米増産計画とは、①各県、郡、村落に農業委員会を作らせる、②中央で計画した耕作目標面積を、各県、郡、村落の農業委員会に割り当て耕作させる、また農業融資もこれらの委員会を通じて行う、③全ての地主は農地を貸し出す努力が求められ、地主が自力で小作人を見つけられない場合、政府が土地を収用し、村落農業委員会を通じて適切な小作人を斡旋することを骨子とした計画であり、全国規模で実施することが意図されていた。報告ではこの計画を分析し、歴史的文脈に位置づけることにより、これまで明らかにされていない日本軍の「独立」ビルマ政府への関与、日本の占領下での政策と独立後の政策の系譜的連続性、またビルマ共産党による戦時下での農村部の組織化活動の一端を示すことを目指す。

第二報告(15:45~17:45)
報告者:都築一子氏(NPO シニアボランティア経験を活かす会)
コメンテータ:原不二夫氏(元南山大学教授)

報告題目:「英領北ボルネオにおける1890年代の日本人移民—南繁蔵の組合伐採事業を中心として—」

報告要旨:1893年から95年にかけて日本人移民が英領北ボルネオ(以下北ボルネオ)へ渡航した先行研究がある。本発表の目的は,先行研究で明らかにできなかった「1893年の移民」を検証し,「1896年から北ボルネオ渡航旅券獲得者が約10年間途絶えた理由」を考察する。1893年夏に,和歌山県の17名が到着した。彼らは,同郷の資本を募り,木材コンセッションを獲得して南繁蔵をリーダーとする組合伐採事業を始めた。海外移住関西同志会も移民を送った。1895年に移民が予定の乗り継ぎ船に乗れず滞在費不足になり香港領事館に救済申請をした。中川領事が,「移民保護に関する意見書」で領事館と移民代理支店の無い北ボルネオへ自由渡航移民を送る危険性を指摘した時,大井憲太郎の「北ボルネオ開発計画」が調査されていた。大井に関する調査と「意見書」によって,自由渡航移民の容認は警戒に変わった。この政策変更が,北ボルネオ行き旅券獲得者が約10年間途絶えた主因であると考察する。

2018年度第4回関東例会(11月17日)のご案内

11月17日(土)に、下記の通り、関東例会を開催致します。
皆様のご参加をお待ちしております。

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日時:2018年11月17日(土)13:30~17:45
場所:東京外国語大学 本郷サテライト4階セミナー室
*地下鉄本郷三丁目駅より徒歩5分(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)

☆第1報告(13:30~15:30)
報告者:茅根由佳( 京都大学東南アジア地域研究研究所 )
題目: 現代インドネシアにおけるシーア派排斥運動の起源と展開
コメンテーター: 横田貴之(明治大学・准教授)

<報告要旨>
 本報告では、従来穏健であると見なされてきたインドネシア最大のイスラーム組織ナフダトゥル・ウラマー(NU)に着目し、近年シーア派に対する排斥運動が多発している要因を明らかにする。NUに関する先行研究は多宗教の共存を説き、少数派の権利を擁護する穏健な指導者たちの役割を強調する一方で、同組織における排外的勢力の存在を等閑視してきた。そのため、なぜ1998年の民主化後にNUのメンバーによるシーア派排斥運動が生じるようになったのか、その理由を説明できない。
 本報告では以下の仮説を検証する。NU内における反シーア派意識は、抑圧的なスハルトの権威主義体制によって不可視化されてきた。しかし民主化後、シーア派排斥のアジェンダはシーア派に脅威を抱くメンバーの共鳴を広く得ただけでなく、穏健派指導者たちに批判的なNU内外の反抗勢力の凝集性を効果的に高めた。これらの仮説の検証を通じて、本報告ではこれまで見落とされてきたNU内の多様性のみならず、宗教的正統性をめぐる諸勢力間の競争とダイナミズムを示す。

☆第2報告(15:45~17:45)
報告者:山本博之(京都大学東南アジア地域研究研究所)
題目:二重写しの国民的英雄――マレーシアの映画が描くハントゥアの正義・公正観
コメンテーター:弘末雅士(立教大学・名誉教授)

<報告要旨>
東南アジアのナショナリズムは、多様な背景を持つ人々が自らを運命共同体であ
ると認め合うことと、異民族による植民地支配から自らを解放することという2
つの側面を持ち、前者は独立後も課題であり続けている。従来のナショナリズム
研究が新聞・雑誌の役割に注目したのに対し、本報告では映画に目を向け、独立
後のマレーシアにおいて、国民的英雄の官製イメージが強化される裏でその対抗
イメージが創出され浸透していった様子を明らかにする。マレーシアの国民的英
雄ハントゥアは君主に忠誠を尽くすマレー人社会の勇者として知られ、その物語
は教科書や叙勲を通じて国民に教化されたが、他方で映画では残忍・不正な君主
への反逆に重きが置かれ、その結果ハントゥアと仲間の物語は対立する2つの正
義・公正観を纏うことになった。2000年代以降の「ハントゥアは中国人か」など
の論争を経て、今日のマレーシアでは理想の国民的英雄に動揺が見られる。

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例会終了後、18時から19時頃まで、同会場にて簡単な懇親会を予定しております。
ご不明な点は、関東例会(kanto-reikai[at]tufs.ac.jp)までお問い合わせください([at]を@にして下さい)。
関東例会のブログ(http://kantoreikai.blog.fc2.com/)には、過去の議事録も掲載しております。ぜひご参照ください。

関東例会委員

2018年度第3回関東例会(10月27日)のご案内

10月27日(土)に、下記の通り、関東例会を開催致します。
多くの方々のご参加をお待ちしております。

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日時:2018年10月27日(土)13:30~17:45
場所:東京外国語大学 本郷サテライト5階セミナー室
*地下鉄本郷三丁目駅より徒歩5分(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)

<プログラム>
☆第1報告(13:30~15:30)
報告者:高田知仁会員(サイアム大学日本語コミュニケーション学科学科長、タイ日文化研究センター長)
題目: タイの寺院螺鈿扉に見るモチーフ・文様・表現技法の変遷とその歴史的意味
コメンテーター:小池富雄(鶴見大学文学部文化財学科・教授)

☆第2報告(15:45~17:45)
報告者:片岡樹会員(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・教授)
題目:日本宗教史モデルは東南アジア宗教の説明にどこまで使えるか―顕密論から見たタイ宗教論の試み―
コメンテーター:中西裕二(日本女子大学人間社会学部文化学科・教授)

<報告要旨>
☆第1報告:高田知仁会員
 タイには螺鈿工芸の伝統があることは現存作品から知られているが、その中でも寺院扉は螺鈿作品として大変大形のものであり、その多くは制作に王家が関わりを持つ作品である。そうした作品には王朝年代記や銘文から年代がわかる作品が含まれている。つまり、そうした螺鈿扉は各時代の最高の技術をもって造られた作品であると言うことができる。
 しかしタイの螺鈿工芸が始まって以来の変遷については、これまで詳しい研究が行われておらず、文様様式やモチーフの持つ意味、そして制作技法も含めて不明な点が多い。
 そこで本発表では、各時代の王朝美術の特徴が明瞭に表現されていると期待される螺鈿扉を中心として、特に年代が判明している作品を基準作として取り上げ、そこに現れているモチーフ・文様様式・表現技法の変遷を検討することによって年代の不明な作品を含めた時期の区分を行い、さらに螺鈿扉から読み取れる歴史的な意味を明らかにしたい。

☆第2報告:片岡樹会員
 本報告では、タイ国の事例から、日本宗教史論のモデルをヒントに東南アジア宗教を再検討することを試みる。タイ宗教論の分野では近年、国家公認の正統サンガを中心において構築された従来の研究パラダイムに対する新たな問題提起が相次いでいる。それをもたらしたひとつの要因は、タイ仏教といわれるもののハイブリッド化が顕著に進展しているという事実であり、さらにその背景にあるのは、中国系、インド系、土着民間信仰系など、従来の上座仏教論ではじゅうぶんにカバーできない要素の増殖である。こうした状況は、上座仏教、大乗仏教、ヒンドゥー教、あるいはタイ人、中国系・インド系住民というような、既存宗教を単位にとりあげそれを民族集団ごとに切り分けるアプローチがすでに非現実的であることを示している。本報告ではこの状況を統一的に把握するための新たな試みとして、日本宗教史論特に顕密体制論の応用を仮説的に提案する。もちろん荘園制度に裏打ちされた権門寺社による全国の末寺末社の系列化という日本の特殊事情が、ただちに現代の東南アジアに当てはまるわけではないが、両者の異同を考察することで、日本発の東南アジア宗教論モデル構築の可能性が見えてくるだろう。

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例会終了後、18時から19時頃まで、同会場にて簡単な懇親会を予定しております。
ご不明な点は、関東例会(kanto-reikai[at]tufs.ac.jp)までお問い合わせください([at]を@にして下さい)。

2018年度第2回関東例会(5月19日)のご案内

2018年度2回目の例会を,下記の通り,5月19日(土)に開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2018年5月19日(土)13:30~17:45
場所:東京外国語大学 本郷サテライト4階セミナー室
*地下鉄本郷三丁目駅より徒歩5分(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)

プログラム
☆第1報告(13:30~15:30)
報告者:池田昌弘(神戸大学大学院経済学研究科・博士後期課程) 
題目:20世紀初頭ベトナム南部における食糧問題と政府の対応:1911~12年の価格高騰と地域内米流通
コメンテーター:髙田洋子(敬愛大学国際学部・教授)

☆第2報告(15:45~17:45)
報告者:小泉佑介(上智大学アジア文化研究所・共同研究所員)
題目:インドネシアにおける人口センサス個票データの利用可能性
コメンテーター:長津一史(東洋大学社会学部・准教授)

報告要旨
☆第1報告・池田昌弘
「ベトナム南部(コーチシナ)は,フランス植民地統治下にあった19世紀後半から20世紀前半にかけて,米輸出地域として急速な発展を遂げた。植民地政府による土地開拓事業と現地住民による積極的な生産活動は,地域内消費量をはるかに上回る輸出商品生産の原動力となった。そのような中,1911〜12年にかけて地域内消費量が不足しかねない事態が発生し,政府主導で輸出停止措置がとられるとともに飢饉対策が実施された。こうした食糧問題の発生は,地域内で形成された米流通構造,すなわち自給部門における自家消費分と輸出米としての商品流通分が極端に不均等な配分となった結果であり,また飢饉を未然に防ぐための有効な対策を政府に要請する現象として捉えられる。本報告では,この2年間を中心に①食糧問題が生じた地域内流通の構造的要因,②植民地政府の諸対応にみられる食糧政策の特徴,を論じる。報告に際しては,米価変動と国外・地域内の需給動向に留意しつつ,自給部門における地主・小作間での食糧分配の重要性を再評価する。さらに,問題解決に向けた植民地政府の諸対応がどのような方針のもと展開されたのかを議論する。」

☆第2報告・小泉佑介
「2000年以降のインドネシアにおける人口センサスは,調査項目に「民族」の項目が加えられ,デジタル形式に変換された個票単位のデータが公開されるようになったことで,大きな注目を集めている。本報告では,2000年と2010年の人口センサスについて,その調査方法や調査項目,公開されているデータ形式等の概要を紹介し,その上で,インドネシアの社会経済動態を,より広域的な視点から理解するための分析道具として,2億人を超える膨大な個票データの利用可能性を提示する。具体的には,報告者がこれまでフィールド調査を実施してきたスマトラ中部リアウ州を事例とし,2000年と2010年の人口センサス個票データをクロス集計した結果と,地理情報システム(GIS)によって作成した人口分布等の主題図をもとに,同州の人口動態と就業構造の変化を,州単位のマクロ・スケールで捉えることを試みる。」

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例会終了後、18時から19時頃まで、同会場にて簡単な懇親会を予定しております。
ご不明な点は、関東例会(kanto-reikai[at]tufs.ac.jp)までお問い合わせください([at]を@にして下さい)。

2018年度第1回関東例会(4月21日)のご案内

東南アジア学会の皆様

2018年度最初の関東例会を4月21日(土)に開催いたします。
今回は、津田浩司会員による「日本軍政期ジャワの華僑向け日刊紙『共栄報』の研究」と、
佐藤章太会員による「ベトナム語の漢越語専門用語に見られる土着化現象~中等教育数学用語の体系的分析を通して~」の2報告です。

詳細は下記をご覧下さい。
多くの方々のご参加をお待ちしております。

日時:2018年4月21日(土)13:30~17:45
場所:東京外国語大学 本郷サテライト4階セミナー室
*地下鉄本郷三丁目駅より徒歩5分(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)

☆第1報告(13:30~15:30)
報告者:津田浩司(東京大学大学院総合文化研究科・准教授)
題目:日本軍政期ジャワの華僑向け日刊紙『共栄報』の研究
コメンテーター:倉沢愛子(慶應義塾大学経済学部・名誉教授)
<報告要旨>
『共栄報(Kung Yung
Pao)』は、日本軍政下のジャワにおいて華僑向けに発行され続けた唯一の日刊紙である。当時のジャワの華僑社会の言語状況を反映し、華語(中国語)版とマレー語版とが別々に出されていた。本報告は、これまでその存在は言及されることはあっても、本格的に研究されてこなかったこの『共栄報』について、インドネシア国立図書館所蔵の原資料、および関係者の回想録を含む各種資料に基づきつつ、解題を加えるものである。
報告ではまず、『共栄報』が読者対象としたジャワの華僑社会とはいかなるものであったのかを大掴みで理解すべく、日本軍政が始まる以前の新聞等メディアを通した彼らの言論活動の状況について確認する。次いで、軍政下の情報統制の概要、および『共栄報』発行の経緯や編集体制等について明らかにする。最後に、『共栄報』の紙面の特徴について、原資料の撮影データを示しつつ指摘する。

☆第2報告(15:45~17:45)
報告者:佐藤章太(東京大学大学院・博士課程)
題目:ベトナム語の漢越語専門用語に見られる土着化現象~中等教育数学用語の体系的分析を通して~
コメンテーター:岩月純一(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
<報告要旨>
ベトナムは歴史的に漢字文化圏に属したため、ベトナム語は現代に至るまでに非常に多くの漢語由来語彙を受容しており、その中でも体系的な漢字音で読まれる「漢越語」は、高級語彙や専門用語に多い。しかし、現代ベトナム語は漢字を使わず、アルファベットを用いており、かつては漢字で書かれた漢越語は意味面や文法面など様々な面で、土着化(ベトナム語的特徴を持つ変化)を起こしている。
本発表では、ベトナム中等教育の教科書に掲載されている数学用語を体系的に分析することにより、専門用語の漢越語においても、土着化現象が起きていることを指摘する。特に意味面では、ニュアンスの付与・意味明白度の違い・意味内容の変化について、文法面では語順の逆転について述べる。また、ベトナム人によって新たに創出された「越製」漢語についても指摘する。

例会終了後、18時から19時頃まで、同会場にて簡単な懇親会を予定しております。

ご不明な点は、関東例会(kanto-reikai[at]tufs.ac.jp)までお問い合わせください([at]を@にして下さい)。
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