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2019年度第5回関東例会(2020年1月11日)

下記の日程にて、関東例会(早稲田大学アジア太平洋研究センター・東南アジア島嶼部現代政治研究部会共催)を開催します。今回は東チモール特集です。
みなさまのご参加をお待ちしております。

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日時:2020年1月11日(土)13:30~17:45
場所:早稲田大学早稲田キャンパス 19号館 710教室(アクセス
例会終了後、1時間程度の簡単な懇親会を開催いたします。

第一報告(13:30~15:30)
報告者:須藤玲(上智大学大学院)
コメンテータ:福武慎太郎(上智大学)

報告題目:東ティモール教授言語政策の政策形成過程におけるポリティクス
     -「母語を基礎とした多言語教育(MTB-MLE)」を事例にー

要旨:本発表では、2013年から2015年にかけて試験的に実施された「母語を基礎とした多言語教育(MTB-MLE: Mother
Tongue-Based Multilingual Education)」の政策立案プロセスの分析から、多言語状況下にある東ティモールにおいて教授言語政策の政策形成過程におけるポリティクスを明らかにする。発表者は2019年4月、9月にフィールド調査を行い、MTB-MLEの立案に関わった組織・人物に対してインタビューを行った。その結果、MTB-MLEを国際的に推進するUNESCOに影響されて国外から持ち込まれたものではなく、初代大統領、シャナナ・グスマン氏の妻(クリスティ・グスマン氏)が本政策の立案のきっかけを作り、同氏を中心として政策が立案された過程が明らかとなった。東ティモールにおける教授言語政策は、国内外の様々なポリティクスによってなかなか立案されにくい状況にある中、国内外において様々なアクターとのつながりを有する同氏が主導して立案したことによってMTB-MLEが政策として立案されたといえる。しかし同時に、同氏が中心となって立案された政策であるがゆえに被る課題も浮き彫りとなり、当国の教授言語政策の政策形成過程における詳細なポリティクスが明らかとなった。


第二報告(15:45~17:45)
報告者:森田良成(桃山学院大学)
コメンテータ:福武慎太郎(上智大学)

報告題目:穴だらけの国境を越える
     ーティモール島国境地域における「周縁性」の考察

要旨:東ティモール民主共和国の成立によって、ティモール島はインドネシア共和国領西ティモールと東ティモール領とに分かれた。本発表では、東ティモール領の「飛び地」であるオエクシ県を囲む国境に注目する。国家の周縁に位置し、開発の遅れた山村にすぎなかった場所は、国境線が引かれることで、異なる政治経済体制が向かい合う場所となった。そこでは人と物の移動が制限を受けることになり、それゆえに新しい移動と経済的利益が生まれることになった。国境付近で暮らす農民たちは「ねずみの道(ジャラン・ティクス)」を使って「密輸」を行うようになり、それは村の日常の風景として「公然の秘密」といわれるものになっていった。
 本発表では、国境ができたことによって「可能」となった新しい移動の意味と、どちらかの国家の「国民であること」が人々の生活に何をもたらしているのかを明らかにしながら、国家の周縁における国民と国家の関係について議論する。

2019年度第4回関東例会(2019年11月9日)

下記の日程にて、関東例会(11月)を開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

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日時:2019年11月9日(土)15:00~17:30
場所:早稲田大学早稲田キャンパス 19号館 309教室(アクセス
例会終了後、1時間程度の簡単な懇親会を開催いたします。

合評会
山口元樹『インドネシアのイスラーム改革主義運動―アラブ人コミュニティの教育活動と社会統合』慶応義塾大学出版会、2018年。

本書は植民地インドネシアで「イスラーム改革主義」運動の先駆的な役割を果たしたアラブ系住民が、どのようにしてホスト社会に統合されていったのかを、アラビア語、オランダ語、インドネシア語の文献を駆使して描き出した。
まず著者の山口元樹氏が本書の内容を要約して紹介する。続いて小林寧子がインドネシア近現代史研究の立場から、また中東・イスラーム研究の立場から飯塚正人氏がコメントを発表する。その後、フロアからの質疑応答も含め、ディスカッションに入る。

報告:山口元樹(東洋文庫)
報告:小林寧子(南山大学客員研究員)
コメント:飯塚正人(東京外国語大学)

2019年度第3回関東例会(2019年10月5日)

下記の日程にて、関東例会(10月)を開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

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日時:2019年10月5日(土)13:30~17:45
場所:早稲田大学早稲田キャンパス 19号館 710教室(アクセス
例会終了後、1時間程度の簡単な懇親会を開催いたします。


第一報告(13:30~15:30)
報告者:勅使河原章氏(東京外国語大学大学院)
コメンテータ:菊池陽子氏(東京外国語大学)

報告題目:仏印処理後のインドシナの諸相―ラオス駐在ベトナム人行政官帰国問題とベトナム在住ラオス王子の帰国要請を通して

報告要旨:
アジア太平洋戦争末期仏領インドシナ地域はわずかな期間(1945年3月9日ー8月15日)であるが日本占領下となった。しかしながら当該地域のその間の外交行政活動の研究はほとんど明らかにされて来なかった。仏印処理後のインドシナの諸相を日本国が総督府を統治していた時代に作成されたベトナムに残されている公文書を考察し、従来知られていない案件が明らかになってきたので報告する。一つはラオスのベトナム人行政官の帰国問題でありもう一つはラオス皇太子による副王家の王子帰国要請である。
 フランスの植民地政策でラオスの行政官の多くをベトナム人としてきた。仏印処理によりフランス人が撤退したのち、ラオス政府の上層部サワン皇太子とペッサラート副王はこの機に合わせてベトナム人をラオスから退去させようとはかった。
 一方、サワン皇太子はペッサラートの末弟スパヌボンの帰国を総督府に要請した。要請の理由と総督府の対応について考察する。


第二報告(15:45~17:45)
報告者:川島緑氏(上智大学)
コメンテータ:菅谷成子氏(愛媛大学)

発表題目:19世紀~20世紀初頭ミンダナオ島ラナオ地方における紙の流通―イスラーム写本に使用された紙の検討を通じて―

発表要旨:
写本は単にテキストの媒体であるのみならず、それがどのような材料でどのように作られたかを伝えるアーティファクトでもある。近年、東南アジアのイスラーム写本研究が盛んになり、その影響下、南部フィリピンのイスラーム写本についての研究上の関心も高まりつつある。しかし、「もの」としての写本に注目し、使用されている紙や表紙の素材を記述し、それに基づいてこれらの材料の流通や書籍文化を検討する試みはほとんど行われていない。本研究はこのような研究の先駆的な試みとして、ミンダナオ島西部の内陸部に位置するラナオ地方の個人所蔵イスラーム写本42点に使用されている紙の種類を検討し、18世紀末から20世紀初頭ラナオ地方における紙の流通や書籍文化の一端を明らかにする。ラナオ地方は内陸部に位置し、19世紀末までスペイン植民地政府の直接支配を受けなかったため、従来は、スールー諸島やコタバト周辺に比べ、孤立性が高いとみなされてきた。しかし、これらのイスラーム写本にスペイン、カタロニア産のラグ・ペーパーや厦門から輸入された中国製の手すき紙が使用されていることから、これらの商品がラナオ地方で流通していたことが確認できる。さらに、一部の写本に、粗く太い繊維の手製の紙が使用されていること、および、聞き取り調査から、この地域で、以前はローカルな紙生産が行われていたことも確認できた。さらに20世紀前半に作成された写本には、海外から輸入した機械生産による洋紙が使用されるようになる。以上から、19世紀以前のラナオ地方では、スペイン、中国からの紙の流入、および、ローカルな紙生産技術が、この地域におけるイスラーム知識の普及を支えていたことが明らかにされた。

2019年度第2回関東例会(2019年6月15日)

日時:2019年6月15日(土)15:00~18:00
場所:早稲田大学早稲田キャンパス 19号館 710教室
https://www.waseda.jp/gsaps/access/

合評会
長津一史著『国境を生きる:マレーシア・サバ州、海サマの動態的民族誌』木犀社、2019年

マレーシア・サバ州とフィリピンの国境を生きる海民=海サマ(バジャウ)の視点から国境の意味を探ることを試みた民族誌『国境を生きる:マレーシア・サバ州、海サマの動態的民族誌』の合評会を行う。著者の長津氏が本書の要約を報告した後に、マレーシア政治研究の立場から鳥居高氏、東南アジアのエスニシティ論の立場から津田浩司氏、海民研究の立場から鈴木佑記氏がコメントを発表し、ディスカッションを行う。

司会:石井正子氏(立教大学)
15:00-15:40 報告 長津一史氏(東洋大学)
15:40-16:00 コメント1 鳥居高氏(明治大学)
16:00-16:20 コメント2 津田浩司氏(東京大学)
16:20-16:40 休憩
16:40-17:00 コメント3 鈴木佑記氏(国士舘大学)
17:00-18:00 ディスカッション

2019年度第1回関東例会(2019年5月18日)

下記の日程にて、関東例会(5月)を開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。非学会員のご参加も歓迎します。

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日時:2019年5月18日(土)13:30~17:45
場所:早稲田大学早稲田キャンパス 19号館710号室
 https://www.waseda.jp/gsaps/access/

第一報告(13:30~15:30)
報告者:加藤久美子氏(上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科・日本学術振興会特別研究員)
コメンテータ:伊藤眞氏(首都大学東京人文科学研究科客員教授)

報告題目:「インドネシア・スラウェシのバジョ集落における儀礼とバジョ起源説」

報告要旨:バジョは東南アジアに広く拡散居住する海洋民の一派であり、移動性が高く、その起源/故地、移動史は明らかになっていない。フィリピン・マレーシアの先行研究では、地域的優位集団との断絶、格差に関連したバジョの漂着・離散説の語りが示されたが、それは現在の社会的地位を反映し再生産されたものである可能性が指摘された。一方で報告者が調査を行ったインドネシア・スラウェシのバジョは、バジョ起源を語る口頭伝承の中で地域的優位集団ブギスとの婚姻関係を強調する。その一部は地域的優位集団が記録する王国史の内容と重なる。調査の結果、バジョ集落で行われている儀礼様式や儀礼衣装の中にも、ブギスとの繋がりを示す要素が見られた。本報告では南東スラウェシのバジョ集落における口頭伝承と儀礼の詳細を示すと共に、インドネシア・スラウェシにおけるバジョとブギスの関係、およびバジョアイデンティティの様相を明らかにする。

第二報告(15:45~17:45)
報告者:川村晃一氏(アジア経済研究所)、増原綾子氏(亜細亜大学)、見市建(早稲田大学)

報告題目:(ミニパネル)「インドネシア選挙を読み解く」

報告要旨:インドネシアでは4月17日に大統領・議会選挙が行われた。5年前と同じ組み合わせになった大統領選挙では現職のジョコ・ウィドドが再選が確実となった。同時に行われた議会選では与党の闘争民主党が第1党を維持する見込みである。したがって選挙前後の勢力図には大きな変化はないわけだが、決して平穏な選挙ではなかった。野党側の動員が繰り返され、ネット上も荒れ、「社会の分裂」や「二極化」が囁かれた。本ミニパネルでは、3人のインドネシア政治研究者がこれまでの研究を踏まえ、本選挙を読み解く。
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