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2013年度第6回(1月)の関東例会のご案内

東南アジア学会会員の皆様

関東例会 2014年1月例会(2014年1月25日開催)のご案内を致します。

今回は、小池誠会員による「台湾で働く多様なインドネシア人のネットワークとその結節点」、および、鈴木隆史会員による「インドネシア西ジャワ州インドラマユ県、カランソン村における流し網漁業発展史−残された記録と漁民および商人のオーラルヒストリーを中心に−」の2報告です。

詳細は下記をご覧ください。多くの方々のご来場をお待ちしております。

<2014年度1月例会>
日時:2014年1月25日(土)13:30~17:45
会場:東京外国語大学・本郷サテライト5階セミナースペース
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html


☆第一報告(13:30~15:30)
報告者:小池誠先生(桃山学院大学国際教養学部教授)
コメンテーター:伊藤眞先生(首都大学東京都市教養学部教授)
報告題:「台湾で働く多様なインドネシア人のネットワークとその結節点」

<報告要旨>

主な対象とするのは台湾在住のインドネシア人移住労働者と彼女/彼らが構築するネットワークである。彼女/彼らがどのようなネットワークを作り上げ、そして、そのネットワーク上で出身地など背景の異なるインドネシア人がいかなる結節点でどのように出会うのか、その実態を明らかにしたい。台湾で働くインドネシア人労働者は2012年6月に185,000人であり、全体の80%以上を女性が占めている。高齢者の介護という名目で雇用主宅に住みこみで働く女性が多い。結節点として第一に挙げられるのが、インドネシア人向け総合店舗(Toko Indo)である。休日には食事や買物・送金だけでなくカラオケを楽しみに多くの労働者が集まる。第二は、金曜日の礼拝やインドネシア人ムスリム団体が主催する宗教イベントである。この他、インドネシア語の活字メディアと、Facebook等のソーシャル・メディアも、離れた地域の労働者をつなぐ役割を果たしている。



☆第二報告(15:45~17:45)

報告者:鈴木隆史先生(桃山学院大学兼任講師)
コメンテーター:加納啓良(東京大学名誉教授)
報告題:「インドネシア西ジャワ州インドラマユ県、カランソン村における流し網漁業発展史−残された記録と漁民および商人のオーラルヒストリーを中心に−」

<報告要旨>

西ジャワ州インドラマユ県のカランソン村では1960年代の半ばに流し網が始まる。漁獲物の保存に塩を用いるようになったことで一ヶ月以上の長期間操業が可能となり、水揚量も飛躍的に増加した。しかし、一回の操業に多額の操業経費が必要なため、個人船主ではなく資本を有する魚商人たちが船主となった。一方、大量の塩蔵魚を販売するために商人たちが新たに市場を開拓した。1980年代の半ばになると、漁船の動力化が進み、漁獲物の保存に氷が用いられるようになり鮮魚生産が可能となる。セリ制度の導入で公正な魚価が形成され、水揚金額も増加。経費を短期で回収できるため、独立した個人船主が誕生し、それまでの商人経営の漁船は減少した。2010年になると、GPS、無線機、フリーザーを搭載した漁船が誕生し、冷凍魚が水揚げされるようになった。漁獲物の品質が安定し、水揚金額も増加した。漁船への初期投資に1000万円以上かかるものの、2年以内で投下資本は回収できるといわれ、流し網漁業は確実に儲かる事業と認識され、医者や公務員などの漁民以外の船主が誕生している。

 


終了後、懇親会を用意しております。




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今年度の例会の報告者募集は終了いたしました。
たくさんのご応募どうもありがとうございました。


来年度以降の関東例会の開催日程、報告者募集につきましては、
1月例会終了後にアナウンスいたします。


また下記のブログにて、過去の関東例会の議事録、
及び今後の例会の案内を掲載しておりますので、ぜひご参照ください。
http://kantoreikai.blog.fc2.com/


青山 亨(東南アジア学会理事・関東地区担当、東京外国語大学東南アジア課程) 
(連絡先) kanto-reikai@tufs.ac.jp




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